大腸ポリープは予防できないの?
いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長の井坂です。
よく大腸カメラ後の説明時に患者さんから「大腸ポリープはなぜできますか?どうしたら予防できますか?」と聞かれますので、今回はこの問いについて解説したいと思います。
【そもそも大腸ポリープとは】
一般的に大腸の粘膜から発生するすべての「いぼ」「できもの」を指します。
大きく「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」に分けられ、腫瘍性ポリープは「腺腫」と「がん」、非腫瘍性ポリープは「過形成性ポリープ」、「過誤腫性ポリープ」、「炎症性ポリープ」に分類されます。
これらのうちよく見られるのは「腺腫」と「過形成性ポリープ」です。
「腺腫」は小さいうちは良性であっても大きくなると一部分からがんになる可能性があります。
「過形成性ポリープ」は基本的に良性のままです。
以上から「腺腫」は治療対象となり、「過形成性ポリープ」は対象となりません。
【原因】
これらの大腸ポリープができる原因は明確には分かっていませんが、以下のような体質や食生活に当てはまる人は注意が必要とされています。
・家族歴(家族に大腸がんなどを患った人がいるなど)
・便秘(発がん物質が腸にとどまっている時間が長い)
・肥満
・運動不足
・脂肪分の多い食生活
・食物繊維の少ない食生活
・大酒家
・喫煙者
こうした要因が特定の遺伝子に変化を起こすことでポリープ(腺腫)が発症し、がんになるといわれています。
【予防】
明確な原因がないため、大腸ポリープそのものの発生を予防する方法は現在のところありません。
ですが、上記に挙げたリスクを高める原因に注意すれば、ポリープが大きくなることや、がん化することを予防できると言われています。
① 食生活の改善
・1日3食、規則正しく食事を摂ることが大切です。バランスの取れた食事を心がけましょう。
・肉中心の食生活から、野菜中心に変えることが良いです。野菜や果物、穀物を積極的に摂りましょう。
・食物繊維を多く含む食品(例:玄米、豆、野菜、フルーツ)を摂ることで、便通を改善しましょう。
② 運動習慣の確立
・適度な運動を心がけましょう。
ウォーキングやジョギング、水泳など、好きな運動を続けることが腸の健康をサポートします。
③ 腸内環境の改善
腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす努力をしましょう。
ヨーグルトや発酵食品を摂ることで腸内環境を整えることができます。
(当院では自分の腸内細菌叢を調べることができるマイキンソーを導入しています)
マイキンソーについてはこちら
これらと同様に大事になってくるのが便潜血検査による健診です。
大腸ポリープが発生しても基本的に症状はありませんが、この便潜血で陽性となりえます。
これを契機として発見して速やかに切除することで大腸がんへの進行を未然に防ぐことができるのです。
以上まとめますと
・大腸ポリープは明確な原因がないため、発生そのものを完全に予防することは実は難しい。
・よって、がんになりうる大腸ポリープ(大腸腺腫)を発見し、これを切除することでリスクを軽減することが有用である。
という結論に至ります。
早期発見・早期治療できれば大腸ポリープ(がん)は怖くないのです。
是非とも便潜血検査および大腸カメラによる検査を受けてください。
いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長 井坂利史
日本内科学会認定 内科認定医、総合内科専門医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
日本消化管学会認定 胃腸科専門医
日本ヘリコバクター学会認定 ピロリ菌感染症認定医
よく大腸カメラ後の説明時に患者さんから「大腸ポリープはなぜできますか?どうしたら予防できますか?」と聞かれますので、今回はこの問いについて解説したいと思います。
【そもそも大腸ポリープとは】
一般的に大腸の粘膜から発生するすべての「いぼ」「できもの」を指します。
大きく「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」に分けられ、腫瘍性ポリープは「腺腫」と「がん」、非腫瘍性ポリープは「過形成性ポリープ」、「過誤腫性ポリープ」、「炎症性ポリープ」に分類されます。
これらのうちよく見られるのは「腺腫」と「過形成性ポリープ」です。
「腺腫」は小さいうちは良性であっても大きくなると一部分からがんになる可能性があります。
「過形成性ポリープ」は基本的に良性のままです。
以上から「腺腫」は治療対象となり、「過形成性ポリープ」は対象となりません。
【原因】
これらの大腸ポリープができる原因は明確には分かっていませんが、以下のような体質や食生活に当てはまる人は注意が必要とされています。
・家族歴(家族に大腸がんなどを患った人がいるなど)
・便秘(発がん物質が腸にとどまっている時間が長い)
・肥満
・運動不足
・脂肪分の多い食生活
・食物繊維の少ない食生活
・大酒家
・喫煙者
こうした要因が特定の遺伝子に変化を起こすことでポリープ(腺腫)が発症し、がんになるといわれています。
【予防】
明確な原因がないため、大腸ポリープそのものの発生を予防する方法は現在のところありません。
ですが、上記に挙げたリスクを高める原因に注意すれば、ポリープが大きくなることや、がん化することを予防できると言われています。
① 食生活の改善
・1日3食、規則正しく食事を摂ることが大切です。バランスの取れた食事を心がけましょう。
・肉中心の食生活から、野菜中心に変えることが良いです。野菜や果物、穀物を積極的に摂りましょう。
・食物繊維を多く含む食品(例:玄米、豆、野菜、フルーツ)を摂ることで、便通を改善しましょう。
② 運動習慣の確立
・適度な運動を心がけましょう。
ウォーキングやジョギング、水泳など、好きな運動を続けることが腸の健康をサポートします。
③ 腸内環境の改善
腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす努力をしましょう。
ヨーグルトや発酵食品を摂ることで腸内環境を整えることができます。
(当院では自分の腸内細菌叢を調べることができるマイキンソーを導入しています)
マイキンソーについてはこちら
これらと同様に大事になってくるのが便潜血検査による健診です。
大腸ポリープが発生しても基本的に症状はありませんが、この便潜血で陽性となりえます。
これを契機として発見して速やかに切除することで大腸がんへの進行を未然に防ぐことができるのです。
以上まとめますと
・大腸ポリープは明確な原因がないため、発生そのものを完全に予防することは実は難しい。
・よって、がんになりうる大腸ポリープ(大腸腺腫)を発見し、これを切除することでリスクを軽減することが有用である。
という結論に至ります。
早期発見・早期治療できれば大腸ポリープ(がん)は怖くないのです。
是非とも便潜血検査および大腸カメラによる検査を受けてください。
いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長 井坂利史
日本内科学会認定 内科認定医、総合内科専門医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
日本消化管学会認定 胃腸科専門医
日本ヘリコバクター学会認定 ピロリ菌感染症認定医
8mm大のポリープを認めました
すぐに切除しました
切除直後は出血しますが
クリップを用いて止血することができます