胃がんリスクを調べるABC検診とは?
いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長の井坂です。
以前のブログ”ピロリ菌は内視鏡で見えるの?”でピロリ菌に関する内容を投稿しましたが、今回もそれと関連した内容を投稿したいと思います。
ピロリ菌に感染しているかどうかは採血や尿や便それから呼気(吐く息)を分析する検査:尿素呼気試験などいろいろな方法で比較的簡単に調べることができることを以前に説明しました。
今回は更に詳しく胃の状態を調べることができる“胃がんリスクABC検診”について解説いたします。
これは人間ドックや健診などのオプションなどに含まれていることが多い項目です。
血液検査で
① ヘリコバクター・ピロリ菌IgG抗体検査でピロリ菌感染の有無
② ペプシノーゲン(PG)検査で胃粘膜萎縮度
を調べ、その結果を組み合わせて胃がんのリスクをA、B、C、Dの4群に分類して評価する検診です。
以前のブログ”ピロリ菌は内視鏡で見えるの?”でピロリ菌に関する内容を投稿しましたが、今回もそれと関連した内容を投稿したいと思います。
ピロリ菌に感染しているかどうかは採血や尿や便それから呼気(吐く息)を分析する検査:尿素呼気試験などいろいろな方法で比較的簡単に調べることができることを以前に説明しました。
今回は更に詳しく胃の状態を調べることができる“胃がんリスクABC検診”について解説いたします。
これは人間ドックや健診などのオプションなどに含まれていることが多い項目です。
血液検査で
① ヘリコバクター・ピロリ菌IgG抗体検査でピロリ菌感染の有無
② ペプシノーゲン(PG)検査で胃粘膜萎縮度
を調べ、その結果を組み合わせて胃がんのリスクをA、B、C、Dの4群に分類して評価する検診です。
それぞれは
A群:ピロリ菌はいなくて、炎症もない
→ 胃は正常、胃がん発症の可能性は極めて低い
B群:ピロリ菌はいるが、炎症は軽度
→ 胃がん発症のリスクあり。胃潰瘍にも注意
C群:ピロリ菌はいて、炎症も高度
→ 胃がん発症のリスクが高い。最低2年に1回の胃内視鏡が必要
D群:炎症が高度になったため、ピロリ菌もいなくなってしまった(棲めなくなってしまった)
→ 胃がん発症のリスクが極めて高い。毎年胃内視鏡が必要
というように評価することができます。
この分類法は一見すると効率的に見えますが、実は問題を含んでいます。
つまりA群と判定された人の中にピロリ菌のいる人が一定数入ってしまう可能性が指摘されているのです。
理論上、A群に入っていれば胃がんのリスクは極めて低いと判断されますので、胃カメラや胃レントゲンを以後受ける必要性は低いです。真のA群ならそれで構いません。
しかし、本来はB群もしくはD群の人がA群と判断されて、全く胃の健診を今後受けないと怖いことになります。
どんな検査でも100%の正確性はないので、こういったことは全く起きないとは限らないわけです。
この真のA群か偽のA群かを判断するのに一番有効なのは内視鏡です。
内視鏡を受けることでピロリ菌に感染している胃かそうでないかを予想することができますので、内視鏡を一度だけでもいいので受けてください。
そこでA群に矛盾しない所見で真のA群と判断されたら、内視鏡はもちろんのこと胃レントゲンも今後定期的に受ける必要はありません。(症状があった際にはこの限りではありません)
偽のA群が疑われたのであれば、ピロリ菌の感染の有無を採血とは異なる検査法(具体的には尿素呼気試験や便中抗原)で調べることが望ましいです。そこで陽性を確認できたのであれば、速やかに除菌をして以後も定期的なフォローアップをお勧めします。
ABC検診は胃のリスクを層別化する検査として有効です。
B・C・Dに該当する人を抽出して、内視鏡に繋げる意味合いは大きいです。
ただ、必要十分ではなく、しかもこれだけで胃がんの有無自体はわかりません。
ABC検診に限らず、まずは体への負担の少ない検査でリスクを評価し、その結果によって更なる精査を行うという流れは理にかなってはいます。
是非ともうまくABC検診を利用して、自分の胃がんのリスクを認識しましょう。
なお、ABC検診自体は保険の効かない自費診療になりますので(当院では3000円で行っています)、その点は御承知ください。
ただし、内視鏡を先に行っていて、ピロリ菌の感染を疑う胃炎を指摘された方は保険診療内でのピロリ菌の検査およびその後の除菌治療が可能です。
細かい事はよくわからないが、とにかく胃もたれや胃痛などあって不安だ、もしくは、特に症状はないけれど、まずはなるべく簡単に自分の胃がんリスクを知りたいな、という方はお気軽に受診してください。
最後に付け加えますが、このABC検診は一生に一回で結構ですし、ピロリ菌の除菌を既にされた人は対象外です。
何度も調べる意味はないので、商業ベースのドックのオプションで受ける方はご注意ください。
いさか内科・消化器内視鏡クリニック 院長 井坂利史
日本内科学会認定 内科認定医
総合内科専門医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
日本消化管学会認定 胃腸科専門医
日本ヘリコバクター学会認定 ピロリ菌感染症認定医
A群:ピロリ菌はいなくて、炎症もない
→ 胃は正常、胃がん発症の可能性は極めて低い
B群:ピロリ菌はいるが、炎症は軽度
→ 胃がん発症のリスクあり。胃潰瘍にも注意
C群:ピロリ菌はいて、炎症も高度
→ 胃がん発症のリスクが高い。最低2年に1回の胃内視鏡が必要
D群:炎症が高度になったため、ピロリ菌もいなくなってしまった(棲めなくなってしまった)
→ 胃がん発症のリスクが極めて高い。毎年胃内視鏡が必要
というように評価することができます。
この分類法は一見すると効率的に見えますが、実は問題を含んでいます。
つまりA群と判定された人の中にピロリ菌のいる人が一定数入ってしまう可能性が指摘されているのです。
理論上、A群に入っていれば胃がんのリスクは極めて低いと判断されますので、胃カメラや胃レントゲンを以後受ける必要性は低いです。真のA群ならそれで構いません。
しかし、本来はB群もしくはD群の人がA群と判断されて、全く胃の健診を今後受けないと怖いことになります。
どんな検査でも100%の正確性はないので、こういったことは全く起きないとは限らないわけです。
この真のA群か偽のA群かを判断するのに一番有効なのは内視鏡です。
内視鏡を受けることでピロリ菌に感染している胃かそうでないかを予想することができますので、内視鏡を一度だけでもいいので受けてください。
そこでA群に矛盾しない所見で真のA群と判断されたら、内視鏡はもちろんのこと胃レントゲンも今後定期的に受ける必要はありません。(症状があった際にはこの限りではありません)
偽のA群が疑われたのであれば、ピロリ菌の感染の有無を採血とは異なる検査法(具体的には尿素呼気試験や便中抗原)で調べることが望ましいです。そこで陽性を確認できたのであれば、速やかに除菌をして以後も定期的なフォローアップをお勧めします。
ABC検診は胃のリスクを層別化する検査として有効です。
B・C・Dに該当する人を抽出して、内視鏡に繋げる意味合いは大きいです。
ただ、必要十分ではなく、しかもこれだけで胃がんの有無自体はわかりません。
ABC検診に限らず、まずは体への負担の少ない検査でリスクを評価し、その結果によって更なる精査を行うという流れは理にかなってはいます。
是非ともうまくABC検診を利用して、自分の胃がんのリスクを認識しましょう。
なお、ABC検診自体は保険の効かない自費診療になりますので(当院では3000円で行っています)、その点は御承知ください。
ただし、内視鏡を先に行っていて、ピロリ菌の感染を疑う胃炎を指摘された方は保険診療内でのピロリ菌の検査およびその後の除菌治療が可能です。
細かい事はよくわからないが、とにかく胃もたれや胃痛などあって不安だ、もしくは、特に症状はないけれど、まずはなるべく簡単に自分の胃がんリスクを知りたいな、という方はお気軽に受診してください。
最後に付け加えますが、このABC検診は一生に一回で結構ですし、ピロリ菌の除菌を既にされた人は対象外です。
何度も調べる意味はないので、商業ベースのドックのオプションで受ける方はご注意ください。
いさか内科・消化器内視鏡クリニック 院長 井坂利史
日本内科学会認定 内科認定医
総合内科専門医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
日本消化管学会認定 胃腸科専門医
日本ヘリコバクター学会認定 ピロリ菌感染症認定医