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おせち料理とお腹の不調の関係 ~塩分・糖分・食物繊維の視点から考える~


いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長の井坂です。

お正月に欠かせない「おせち料理」。
日本の伝統食であり、縁起の良い意味を持つ一方で、年明けに「お腹の調子が悪い」「便秘や下痢になった」「胃がもたれる」といった症状を訴える方が少なくありません。
実際、当院にもそういった方々が来院されます。
そこで、今回はおせち料理とお腹の不調の関係について、塩分・糖分・食物繊維という3つの観点から解説します。

① 塩分が多く、腸に負担がかかりやすい
おせち料理は、もともと「日持ちさせる」ことを目的に作られてきました。
そのため、味付けが濃く、塩分が非常に多い料理が中心です。
数の子、田作り、昆布巻き、かまぼこ、伊達巻、煮しめなど、多くの品に塩や醤油が使われています。
塩分の過剰摂取は、喉の渇きやむくみだけでなく、腸内の水分バランスを乱す原因になります。
腸管内の浸透圧が変化することで、便が硬くなり便秘になったり、逆に腸が刺激され下痢を起こしたりすることもあります。特に高齢の方や、もともと過敏性腸症候群(IBS)がある方では症状が出やすく注意が必要です。

② 砂糖を多く使った料理が腸内環境に影響
おせち料理には、砂糖を多量に使用した甘い料理も多く含まれます。
黒豆、伊達巻、栗きんとん、なますなどは代表的です。
これらは一見ヘルシーに見えますが、実際には想像以上の糖分を含んでいます。
糖分の過剰摂取は、腸内細菌のバランスを乱す原因となります。
特に悪玉菌が増えやすくなり、お腹の張り、ガスの増加、下痢や便秘を引き起こすことがあります。
また、普段あまり甘いものを摂らない方が急に多量の糖分を摂ると、腸がうまく対応できず、不調が出やすくなります。

③ 食物繊維は「量」と「種類」が偏りがち
おせち料理には、根菜類や豆類、昆布など、食物繊維を含む食材も多く使われています。
そのため「おせちは食物繊維が多くて腸に良い」と思われがちですが、注意が必要です。
実際には、不溶性食物繊維が中心で、水溶性食物繊維が少ないという偏りがあります。
不溶性食物繊維は便のかさを増やす一方、摂りすぎると腸を刺激しすぎて腹痛や便秘の原因になることがあります。特に水分摂取が少ない状態では、かえって便が出にくくなることもあります。
一方、腸内環境を整えるために重要な水溶性食物繊維(海藻のぬめり成分、果物など)は、おせち料理では不足しがちです。

【お腹の不調を防ぐための工夫】
おせち料理を楽しみながらお腹の不調を防ぐためには、以下の点を意識しましょう。
• 食べ過ぎず、少量ずつ楽しむ
• 水分をしっかり摂る(お茶や水を意識的に)
• 野菜、果物、ヨーグルトなどを組み合わせる
• 塩分や甘味の強い料理は続けて食べない
また、年末年始は生活リズムの乱れや運動不足も腸の動きを低下させます。
軽い散歩や規則正しい生活も大切です。

【お腹の不調が続く場合は受診を】
お正月明けの一時的な不調であれば自然に改善することが多いですが、腹痛、下痢、便秘、血便、体重減少などが続く場合は、消化管の病気が隠れていることもあります。我慢せず、早めに医療機関へご相談ください。
当院では、消化器内科として腸の不調に幅広く対応しています。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長 井坂利史

日本内科学会認定       内科認定医、総合内科専門医 
日本消化器病学会認定     消化器病専門医  
日本消化器内視鏡学会認定   消化器内視鏡専門医 
日本消化管学会認定      胃腸科専門医 
日本ヘリコバクター学会認定  ピロリ菌感染症認定医