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胃カメラや大腸カメラではこんな処置具を用いています


いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長の井坂です。

当院では毎日、胃カメラと大腸カメラを実施していますが、処置をする際には様々な処置具を用いています。
今回は当院で使用している処置具について具体的に紹介したいと思います。

【生検鉗子】
がんなどの病気の疑いがある場合、胃や大腸などの臓器の組織の一部を採取し、顕微鏡で病理検査を行います。その処置を生検と呼ぶのですが、そのための処置具になります。
先端が3mm以下ととても小さいため、組織を採取した後の出血はじきに止血します。

【スネア】
スネアと呼ばれる輪状のワイヤーを、がんやポリープなどの根元に引っかけ、高周波電流を流して切除します。
小さいポリープであれば高周波電流を流さないで切除します。

【局注針】
平坦なポリープを切除する際には、病変の下層に生理食塩水を注入して粘膜を盛り上げてから切除します。
その際に使用するのが局注針です。

【把持鉗子】
誤って飲み込んだ異物を内視鏡で取り出す際に把持鉗子が使われます。
アニサキスを摘出する際にも使用します。
三脚タイプは切除したポリープや腫瘍を回収する際に使います。

【止血クリップ】
消化管の内部が出血したときには、出血している血管や粘膜を止血クリップでつまんで圧迫し、クリップ部分を切り離して留置し止血します。
当院では主に大腸ポリープを切除した部位の出血予防に用いています。
クリップは時間の経過とともに自然に脱落して、便と一緒に排出されます(小さいのでほとんど気づきません)

【留置スネア】
太い茎のあるポリープには、その茎の中に太い血管が通っているため、切除した際に大出血をおこすリスクがあります。その出血予防として留置スネアという処置具があります。
あらかじめ紐で茎を緊縛して血流を遮断してから切除するため、全く出血せずに切除することができます。
術者である医師と介助する看護師との協調が肝要となります。
しばった紐は自然に脱落します。

【回収ネット】
切除したポリープや腫瘍が比較的大きい場合や一度に数個の検体を回収する際に使います。
虫取り網のような形状をしています。

【散布チューブ】
病変を詳しく観察する際に色素を散布する時があります。
その色素液を散布する際に使います。
先端から霧状に色素を散布することで病変の視認性が向上します。

内視鏡処置具は他にも色々ありますが、ここでは当院で使用している種類を中心に紹介しました。
日々、これらを駆使して診断および処置を行っていますので、少しでもそれらのイメージをつかむことができれば幸いです。

いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長 井坂利史

日本内科学会認定       内科認定医、総合内科専門医 
日本消化器病学会認定     消化器病専門医  
日本消化器内視鏡学会認定   消化器内視鏡専門医 
日本消化管学会認定      胃腸科専門医 
日本ヘリコバクター学会認定  ピロリ菌感染症認定医