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熱中症の症状・予防・対処法 ~正しく知って夏を安全に~


いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長の井坂です。

ここ数年、猛暑の影響もあり、全国的に熱中症による救急搬送が急増しています。
今年もすでに暑い日が続いていますので、今回は熱中症の症状や予防法、万が一かかったときの対処法について、専門的な内容をできるだけわかりやすくまとめました。
ご自身やご家族を守るために、ぜひ最後までご覧ください。

【熱中症とは?】
熱中症は、気温や湿度の高い環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体にさまざまな不調が起こる状態です。

特に注意が必要なのは…

•高齢者(体温調節機能が低下している)
•子ども(体温上昇が早い)
•屋外で活動する方(部活・現場仕事など)
•室内でもエアコンを使わずに過ごす方
実は、「家の中」で熱中症になるケースが全体の約4割とも言われています。

【主な症状と危険サイン】
熱中症の症状は軽度から重度まで段階があります。
以下のような症状が見られたら、早めの対応が必要です。

・ 軽度(I度)
•めまい・立ちくらみ
•筋肉のこむら返り(足がつる)
•大量の汗

・中等度(II度)
•頭痛
•吐き気・嘔吐
•倦怠感(だるさ)
•集中力の低下

・重度(III度)※命の危険があります
•意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
•けいれん
•体温の異常上昇(40℃以上)

軽症でも油断せず、早めに涼しい場所で水分補給を。中等度以上なら、医療機関の受診や救急搬送が必要です。

【予防】
予防の基本は「水分」と「温度管理」です。

① こまめな水分補給
のどが渇いていなくても、定期的に水分をとることが重要です。
特に汗をかいたときは、塩分も一緒に補給しましょう。
•水や麦茶が基本
•スポーツドリンクや経口補水液も有効(※糖尿病の方は糖分に注意)
高齢の方は「のどの渇き」に気づきにくいため、周囲の声かけも大切です。

② エアコンの活用
「電気代が気になるから・・」「エアコンは苦手・・」とエアコンをせっかく設置しているのに使用しない方が散見されます。
過度に温度は下げず、27℃とやや高めの設定にして、除湿などで湿度をさげるだけでも違いますので、是非活用してください。
・熱帯夜ではつけっぱなしにして使用(つけっぱなしの方が電気代も低いといわれています)
・サーキュレーターや扇風機も併用して、効率のよい空調管理を行って下さい

③ 外出・運動時の注意
•帽子や日傘を使う
•通気性のよい服を着る
•日中の外出はなるべく避ける(特に11~15時)

【熱中症になってしまったときの対処法】
1.すぐに涼しい場所へ移動(日陰やクーラーの効いた部屋など)
2.衣服を緩め、体を冷やす(首・わき・足の付け根など)
3.水分・塩分を補給(意識がある場合)

以下の場合は、すぐに119番を!
•意識がない
•返事がはっきりしない
•自力で水分がとれない
•体温が極端に高い(39~40℃以上)

【高齢者・持病のある方は要注意】
高齢者は、
•のどの渇きに気づきにくい
•体温が上がっても汗をかきにくい
•エアコンを嫌がる傾向がある
などの理由から、重症化しやすい傾向があります。
また、糖尿病や高血圧、心不全など持病のある方も、脱水によって体調を崩しやすくなります。

【当院での診療】
当院では、
•熱中症・脱水症状の診察・点滴治療
•漢方などの処方
などを行っております。
「こんな症状は熱中症?」「点滴を受けたほうがいい?」など、お気軽にご相談ください。

【最後に】
熱中症は、正しい知識と少しの心がけで防げる病気です。
「自分は大丈夫」と思っていても、ある日突然、体調が崩れることもあります。
今年の夏も、無理をせず、涼しく・しっかり水分補給をして、元気に過ごしましょう。
気になる症状やご不安があれば、どうぞ早めにご来院ください。

いさか内科・消化器内視鏡クリニック 院長 井坂利史

日本内科学会認定       内科認定医、総合内科専門医 
日本消化器病学会認定     消化器病専門医  
日本消化器内視鏡学会認定   消化器内視鏡専門医 
日本消化管学会認定      胃腸科専門医 
日本ヘリコバクター学会認定  ピロリ菌感染症認定医