注意喚起:下剤を飲まない大腸カメラは危険です!
いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長の井坂です。
先日、当院を受診した患者さんから“下剤を飲まない大腸カメラはできないのですか?”という問い合わせがあり、これは一大事だと思いましたので、今回は緊急提言という意味も持たせて解説したいと思います。
まず、大腸カメラを受けるには、便を出して大腸内をきれいにする必要があります。
そのためにはどうしても下剤を飲むことになるのですが、「下剤を飲まない大腸カメラ」と銘打って、下剤を飲まずに検査を行うクリニックがあるようです。
この方法は、胃カメラを使用して胃の奥の十二指腸に下剤を直接注入するので、下剤を飲むのが苦手な患者さんにとってはありがたいとして広まっているようです。
しかし、この方法は非常に危険であり、医療行為としては不適切です。
理由
① 急激な内服による腸管破裂のリスクがある
そもそもゆっくりと時間をかけて飲んでもらう1500ml~2000mlの下剤を胃カメラから直接一気に流し込むことになるので、腸管内圧が急上昇し、腸管破裂のリスクが高まります。
実際、下剤による死亡報告のほとんどは腸管破裂によるものです。
② 誤嚥のリスクがある
胃の奥の十二指腸に下剤を流し込みますが、短時間に大量に注入した下剤が胃に逆流し、これを嘔吐してしまい、結果としてこれを誤嚥・窒息してしまうリスクがあります。
③ 違法行為であり不正請求といえます
この危険な方法は医療行為として認められておらず、保険でカバーされることはないのですが、その事実を隠して請求している可能性があります。
おおむねこういうクリニックでは麻酔科医がいなければ使用してはいけない鎮静剤を使用していたりします。
鎮静剤の使用前の問診で“卵アレルギーはありませんか?”と聞かれたら、これはこの鎮静剤を使用していると思っていいです。
原則、医師が揃っている病院でしか使用できない鎮静剤を医師1人のクリニックで使用しているのは極めて危険と思いませんか?
以上、同業者として看過できない事実を知り、緊急提言させて頂きました。
我々医師は患者の安全を最優先にして検査や治療を行うべきです。
その原点を見失って診療していてはいつしか事故を生みます。
当院では当然、下剤はご自身で内服して頂きますが、完全個室でリラックスした状態での内服が可能ですし、使用する鎮静剤は保険適用のある薬剤ですので、安心して受診してください。
先日、当院を受診した患者さんから“下剤を飲まない大腸カメラはできないのですか?”という問い合わせがあり、これは一大事だと思いましたので、今回は緊急提言という意味も持たせて解説したいと思います。
まず、大腸カメラを受けるには、便を出して大腸内をきれいにする必要があります。
そのためにはどうしても下剤を飲むことになるのですが、「下剤を飲まない大腸カメラ」と銘打って、下剤を飲まずに検査を行うクリニックがあるようです。
この方法は、胃カメラを使用して胃の奥の十二指腸に下剤を直接注入するので、下剤を飲むのが苦手な患者さんにとってはありがたいとして広まっているようです。
しかし、この方法は非常に危険であり、医療行為としては不適切です。
理由
① 急激な内服による腸管破裂のリスクがある
そもそもゆっくりと時間をかけて飲んでもらう1500ml~2000mlの下剤を胃カメラから直接一気に流し込むことになるので、腸管内圧が急上昇し、腸管破裂のリスクが高まります。
実際、下剤による死亡報告のほとんどは腸管破裂によるものです。
② 誤嚥のリスクがある
胃の奥の十二指腸に下剤を流し込みますが、短時間に大量に注入した下剤が胃に逆流し、これを嘔吐してしまい、結果としてこれを誤嚥・窒息してしまうリスクがあります。
③ 違法行為であり不正請求といえます
この危険な方法は医療行為として認められておらず、保険でカバーされることはないのですが、その事実を隠して請求している可能性があります。
おおむねこういうクリニックでは麻酔科医がいなければ使用してはいけない鎮静剤を使用していたりします。
鎮静剤の使用前の問診で“卵アレルギーはありませんか?”と聞かれたら、これはこの鎮静剤を使用していると思っていいです。
原則、医師が揃っている病院でしか使用できない鎮静剤を医師1人のクリニックで使用しているのは極めて危険と思いませんか?
以上、同業者として看過できない事実を知り、緊急提言させて頂きました。
我々医師は患者の安全を最優先にして検査や治療を行うべきです。
その原点を見失って診療していてはいつしか事故を生みます。
当院では当然、下剤はご自身で内服して頂きますが、完全個室でリラックスした状態での内服が可能ですし、使用する鎮静剤は保険適用のある薬剤ですので、安心して受診してください。
原点を見失ってはいけません