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大腸内視鏡検査時のお腹の張りはつらい?~炭酸ガス送気装置で軽減~


いさか内科・消化器内視鏡クリニック 院長の井坂です。

大腸内視鏡を受けたことのある方なら、検査中および検査後にお腹が張ってつらかったという方がいるかもしれせん。
大腸の内腔にはひだがあり、蛇腹状の形状をしているため、死角ができてしまいます。
その死角を少しでもなくし、十分に観察するためには、ひだを伸ばす必要があります。
具体的には空気を内視鏡の先端から出してひだを伸ばします。
しかし、入れすぎるとお腹がパンパンに張ってしまい、苦しくなってしまいます。
そうならないように空気を適宜、出し入れして観察を行うのですが、よく観察しようとすればするほど、空気は溜まり、結果的にはお腹は張り気味になってしまうことがしばしばあります。

この問題を解消してくれるものが、『炭酸ガス送気装置』です。
この装置は空気のかわりに、二酸化炭素を送気する装置です。
二酸化炭素は空気の200倍の速度で吸収されるため、観察時に十分に送気しても、すぐに吸収されるために、お腹が張らなくてすみます。
この『炭酸ガス送気装置』をうまく利用することで、患者さんの負担を減らしつつ、大腸をしっかりと膨らませた状態で病変の有無を確認することが可能となります。
これにより、小さな大腸ポリープの見落としを防ぐことができ、なおかつ検査後の張り感のない、苦痛のない優しい大腸内視鏡検査を行うことが可能となります。
この『炭酸ガス送気装置』は保険請求ができないため、大腸内視鏡検査で用いる場合には基本的に医療機関側の負担となります。(患者さんにコストの上乗せをしていません)
よって、炭酸ガス装置を導入している医療機関は、利益よりも患者の苦痛軽減を優先した医療を行っていると判断できます。
因みに、当院ではFUJI FILM社製の装置を導入しています。

左:従来の空気による送気での内視鏡後 右:二酸化炭素発生装置による送気での内視鏡後
黒く映っているのが大腸内のガスです。明らかにガスの量が違います。