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病理組織検査とは?


いさか内科・消化器内視鏡クリニック院長の井坂です。

胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡検査の際、粘膜に通常と異なる変化を認めた場合、粘膜の一部を鉗子という処置具で少しだけつまみとり(=生検といいます)、病理医による顕微鏡検査での診断を行うことを病理組織検査といいます。
この検査の一番の目的はがんや悪性リンパ腫などの悪性疾患の確定診断になります。
内視鏡医は粘膜に発赤(赤くなっている状態)、褪色(=色が白く抜けている状態)、隆起(=盛り上がっている状態)、陥凹(=凹んでいる状態)など正常とは異なる所見を認めた場合には、内視鏡で十分に観察をしたのちに、生検を行います。
この生検自体での痛みは全くありませんし、直後は出血しますが、じきに止血します。
(ただし、血をサラサラにする薬を飲んでいる方は止血しにくいです)
採取した組織は、病理医によって診断され、約2週間程度で結果が報告されます。

この生検の適応は様々です。
① 強くがんを疑って行う場合
② がんかどうか内視鏡所見だけでは見分けが難しい場合
③ がんの可能性は低そうだが、念のため行う場合

自分は主に①②の場合が多く、がんを疑う所見が乏しい③の場合には極力生検はしません。
生検自体は前述の如く、痛みはありませんが、少なからず出血というリスクを伴います。
従って、そのリスクに見合った効果がない生検はすべきでないと考えています。
その際は、見た目の所見で判断することになりますので、十分な経験と知識に裏打ちされていないといけません。
これを業界的にはOptical biopsy(=光学的生検)と呼んだりします。
病変に色素を撒いたり、画像を拡大したりして詳細に観察することで診断にせまることができるのです。
(生検は悪性の有無以外の目的、例えばがん病変の範囲を確認する場合や炎症の原因を突き止める虚血性腸炎やアミロイドなどの特殊な沈着物の有無、赤痢アメーバなどの感染症を診断するといった目的もあります。)

いずれにしましても、直接的に病変を採取することで確定診断できる病理組織検査は食道・胃・大腸の疾患の診断において極めて有用です。
どの医師が見てもわかるような進行した段階ではなく、わずかな異常(=違和感)から確定診断できれば、それは早期の段階の可能性が高く、治癒できることに繋がるのです。

また、当院では日帰りの大腸ポリープ切除術も行っていますが、この切除したポリープを回収して病理検査に提出しています。
ポリープの中にがん細胞がないか、その細胞が血管やリンパ管に入り込んでいないか、ちゃんととりきれているか等を評価します。
結果は2週間ほど経過したころに説明しています。

地域の皆様が胃がんや大腸がんによって命を脅かされないよう、早期発見・治療に取り組んでいますので、がんではないかと心配な方はお気軽にお問い合わせください。

いさか内科・消化器内視鏡クリニック 院長 井坂利史

日本内科学会認定       内科認定医
               総合内科専門医 
日本消化器病学会認定     消化器病専門医  
日本消化器内視鏡学会認定   消化器内視鏡専門医 
日本消化管学会認定      胃腸科専門医 
日本ヘリコバクター学会認定  ピロリ菌感染症認定医

病理医が顕微鏡で診断してくれます