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電子カルテ


いさか内科・消化器内視鏡クリニックの井坂です。

先日、病院の電子カルテがサイバー攻撃にあったというニュースがありましたので、今回は電子カルテについて投稿したいと思います。

いわゆるカルテとは患者さんの診療の内容を記録した文書であり、医師は医療を行ったときに遅滞なく診療に関する事項を記載しなくてはいけません。(医師法24条)
このカルテは私が医者になりたての頃は、紙に書いてバインダーに閉じる『紙カルテ』しかありませんでした。
経過の長い患者さんのカルテは、検査結果や各種文書をのり付けした結果、分厚くなってしまい、電話帳のようになり(電話帳も最近見かけないか)、持ち運びも大変な代物になったものです。
当然手書きのため、拙筆な私の記録はよく看護師さんに字が汚くて読めません!とお𠮟りを受けていたものでした。
その後、コンピューター上にデータを保存する『電子カルテ』に移行していきます。
当初から検査や薬を処方するオーダーはコンピューターで行っていたのですが、記録も全てコンピューター上で行うようになったのです。
今では病院の8割、診療所(クリニック)の5割程度が導入済みらしく、これから開院する医療施設はほぼ100%電子カルテと思われます。
この電子カルテ、もちろん私のような拙筆な者にとってはありがたいわけですが、それだけではありません。
ここでメリットとデメリットを紹介したいと思います。
メリット
• コンピューター1台で運用できるので、カルテを保管するスペースが不要となる
• 検索機能を用いて簡単に情報を抽出できる
• 診療報酬請求(医療保険機関にクリニックの売上を請求すること)が簡便となる
デメリット
• 導入費用が高い
• ネット環境に依存するし、停電だと使えない(サイバー攻撃にあったらもっと大変)
このように効率よく診療を行うには電子カルテは必須なのですが、停電やネット環境が悪いと途端にストップしてしまいます。(これはIT化が進む現代において全ての業種に共通していることかとは思いますが・・)
当クリニックで導入する予定の電子カルテにはバックアップ機能があるため、万が一、電子カルテシステムが停止してしまっても、過去のカルテを閲覧することが可能で、どうにか診療することは可能です。
その際は手書き処方箋などを活用した緊急対応になってしまいますので、受診者の方にはご迷惑をお掛けしますが、何卒ご了承下さい。
研修医の頃、指導医に分厚いカルテの角でゴツンと頭を叩かれたのも、今となってはいい思い出です。
当時は心も体も痛かったですが・・。